AKI INOMATA Works
生物や自然物との関わりのなかで作品を制作するAKI INOMATAは、今回映像作品と活版印刷からなる作品を展示する。
《インコを連れてフランス語を習いにいく》は、2010年に発表された作品。「わさびっちょ」という名前のワカケホンセイインコと共に、INOMATA自身がフランス語を習う半年間の日々を記録した、ドキュメンタリー作品である。インコにとっては母語や外国語という概念はないのではないか、という仮説からスタートした。フランス語を習う過程で、インコは「わさび」という彼の名前と、「シルブプレ(S’il vous plaît)」を組み合わせ、「わさびvous plaît」という造語を生み出した。このある種の実験を伴った映像作品を制作するなかで、言語の垣根を超えて生まれた言葉をわさびっちょに似た黄緑色の紙に活版印刷し、額装した。形を持たない言葉という存在が、物質的な手触りをもった存在へと移植された印刷物になることで、現実世界によりしっかりと実在する感覚を生み出している。
AKI INOMATAの作品は、MAHO KUBOTA GALLERY からの発送となります。価格等の詳細は、お問い合わせください。
AKI INOMATA
アーティスト。1983年生まれ。2008年東京藝術大学大学院 先端芸術表現専攻 修了。東京在住。
生きものとの関わりから生まれるもの、あるいはその関係性を提示している。主な作品に、「やどかりに『やど』をわたしてみる」(2009-制作中)、「犬の毛を私がまとい、私の髪を犬がまとう」(2014)など。
主な個展に、十和田市現代美術館(2019年、青森)、北九州市立美術館(2019年、福岡)、ナント美術館(2018年、フランス)。国際展・グループ展に、「Broken Nature」ニューヨーク近代美術館(2021年、米国)、第22回ミラノ・トリエンナーレ(2019年、トリエンナーレデザイン美術館、イタリア)、タイ・ビエンナーレ2018(クラビ)など。 作品の主な収蔵先に、ニューヨーク近代美術館、南オーストラリア州立美術館、金沢21世紀美術館、北九州市立美術館など。
website: https://www.aki-inomata.com/
instagram: https://www.instagram.com/akiinomata/