Fictional Fact

January 28, 2023 - March 31, 2023

Concept

Exhibition Concept

ELEMENT GALLERYの杮落としとなる企画展「Fictional Fact」では、AKI INOMATA、荒牧 悠、磯谷博史、そして鈴木康広の4人のアーティストの作品を紹介する。一人ひとりと「架空のギャラリーで展示するのに適切な作品とは」を話し合いながら、作品を選んでもらった。

主に生き物との関わりから作品を制作するINOMATAは、2010年の映像作品をベースに、そこで生まれた造語を額装し、映像とともにパッケージ化した。人ではない者が生んだ新しい言語表現を、まるで名言のように見せている。

荒牧は「Non Observation Things」という7つの作品から成るシリーズを発表する。「測るもの」をモチーフとした作品群は現実世界では機能を持たないが、架空世界での役割は異なるのかもしれない。

磯谷は、実現したかどうかすらわからない、あるイベントのポスターを刷った。まるで美術館のポスターかのような設えによって、実在した出来事であると人々に想起させてしまう。代表作の一つである、過去と現実が入れ替わるかのような写真シリーズも同時に展示する。

鈴木は、重力と水という地球を構成する重要な要素から、新作を発表する。ありえるのか、ありえないのかすらわからない永遠性を2つの作品は示唆するが、結果は誰にもわからない。この世界に重力はあるのか?水は循環するのか?作家は、誰も知らない問いを投げかける。

アートという表現自体が、フィクションと混ざり合うのは常だが、今回展示するのはいずれも、どこかに確かな事実が存在している。現実から地続きの虚構を、作品と空間を通じてお楽しみいただければ幸いである。